珍味の専門用語「生珍味」
珍味やおつまみを買うとき、よく見てみるといろいろな言葉があることに気付きます。
「乾燥珍味」「生珍味」「かわきもの」「濡れ珍味」…
なんとなくニュアンスはわかるけれど、いったいどういう定義なのでしょうか。
生珍味=乾燥していない珍味のこと
あまりにもそのままですが、つまりそういうこと。
なので、見分け方も簡単です。
乾いているか、生っぽい(湿っている)かだけ!
例えば、同じいかのおつまみでも、
さきいかやあたりめは「乾燥珍味」
塩辛や沖漬けは「生珍味」
という具合に分けられます。
そんなシンプルな名称「生珍味」。
でも、どうしてわざわざ「生」をつけているのか。
ちょっと不思議ですよね。
「生」の定義って何だろう?
「生」をアピールポイントとして押し出すのも、最早定番となりました。
生チョコレートや生キャラメル、生ビールや生醤油…。
この「生」という定義も、商品によって異なります。
例えば、「生チョコレート」の定義は
全重量に対しチョコレート生地が60%以上、
クリームが10%以上、且つ水分が10%以上あるチョコレートのこと。
生醤油は、熱処理加工がされていないもののこと。
生ビールも、日本においては熱処理をしていないビールを指します。
ビールは、麦汁にビール酵母を加えて発酵させ、熟成を進めます。
その際、旨味を十分に引き出した後は余計な発酵を止めるためにビール酵母を取り除くのですが、日本で製造が始まった当初は濾過技術が低く、加熱処理をしてビール酵母を取り除いていました。
1960年代になると、濾過技術の精度が飛躍的に向上。
加熱処理をしなくても酵母を取り除くことができるようになりました。
これが、熱処理を加えていないビール「生ビール」。
そのため、日本で製造されているビールはほぼ瓶でも缶でも生ビール!
熱処理ビールは、昔ながらのビールとして現在も「サッポロラガー」や「アサヒスタウト」として販売されています。
生キャラメルには定義がないのですが、生クリームを多く使うことでクリーミーにしている・フレッシュ感がある印象を与えるために名付けられたようです。
これらがほぼ、日本独自の規格だということが驚きです!
日本人が「生」に対していかにシズル感(美味しそう!な雰囲気)を感じるか、ということがわかる気がしますね。
生珍味の「生」は?
かね徳では、新鮮な生の食材を、素材の味を活かして熱処理加工せず作ったものとして、生珍味を作り続けています。
生チョコレートや生醤油からもわかるように、生=水分が多い ということでもあります。
柔らかくて口溶けや風味が良い反面、期限は短く保管温度帯に気をつけなければならず、価格は少しお高めに。
ですが、 生だからこそ味わえる鮮度や旨味は、多少のデメリットには代え難いものです。
そんな特別感のある生珍味は、旅館や料亭、割烹でもおなじみ。
生が好きな日本人は、それだけ食事や食べ物にこだわりを持って楽しむ気質なのかもしれません。
生珍味と言えば、これ!
言わずと知れた 「いかの塩辛」
スルメイカと、そのイカの内臓と漬け込み熟成させた日本の代表生珍味。
「熟成いか塩辛」はこちら
スピードメニューの定番 「たこわさび」
新鮮なタコをわさびに漬け込んだ、ツーンと爽やかな辛味を楽しめる珍味。
「明石沖いいだこ たこわさび」はこちら
塩辛と並ぶ珍味の大定番 「松前漬け」
北海道の郷土料理で、数の子やスルメ、昆布を醤油で漬け込みます。
「かずのこ松前」はこちら
苦味と食感がくせになる 「ホタルイカの沖漬け」
好きと苦手が両極に分かれるのはまさに珍味の王道です。
余談ですが、外国のおつまみは乾き物が一般的らしく(ポテトチップスやナッツ、ジャーキーなど)、生珍味は外国にはあまり馴染みがないようです。
そのため、枝豆などの野菜をおつまみにしたり、たこわさやいかの塩辛など、乾燥以外のおつまみがあるのは結構珍しいことなのだそう。
珍味は大きく分けて、「乾燥珍味」と「生珍味」がある。
なかなか使うことはないかもしれませんが、知っていれば珍味通!
機会があれば是非使ってみてくださいね。